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AIG

Projects

HERE WE INTRODUCE THE PROJECTS WE HAVE DONE.
ALL PROJECTS ARE MADE OF IDEAS AND THOUGHTS THAT
EMBODY OUR PHILOSOPHY “IMAGINEERING”.

玄妙

製作金物による高耐力ブレース構造
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over view & Goal

敷地は北海道倶知安町で、蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山の西側に位置するコンドミニアムです。3000m2の広大な敷地には白樺の木々が生い茂り、その敷地に馴染むように高さを低く抑えた平屋の木造建築を計画しました。平面はエントランス、リビング、ベッドルームそれぞれ3つのブロックが角度を振りつつ、バッファーゾーンとなる接続部を介して緩やかに繋がる構成です。各棟の角度の調整や、勾配屋根の方向を各ボリュームで分けることで、羊蹄山側の景色の見え方を変化させる等、屋根面の役割が大きい建物で、この屋根面は同時に積雪高さ2.3mを支える役割もあるので、木造で設計するのは工夫が必要でした。 この建物の構造計画/設計のテーマは、①どこでもある材料で作り、木質構造である事を感じる羊蹄山に向かって拡がる片流れ屋根架構、②羊蹄山を望む大開口を実現するためのバランスを意識した高耐力ブレースの配置、この2点を意識して設計を行いました。

Idea

構造計画/設計のテーマに即して、AIGのアイデアを挙げると、 ①屋根梁は、積雪高さが2.3mと重量でいうと自重の約5倍もの重量を負担する必要があります。当然必要な部材断面は大きくなります。しかし、そう感じさせないための工夫が1つ目のアイデアで、梁をどこでも手に入る幅38mmのツーバイ材によるジョイスト梁で設計しました。梁のピッチは455mmと303mmの2種類で計画しており、見付幅、ピッチ、デプスのバランスを意識しながら設計しました。特にスパンが5mあり、メインの空間となるリビングの梁はツーバイ材を3枚合わせにして、真ん中のツーバイ材のせいを小さくしてスリットのラインを強調することで、また他の室とは異なる表情のジョイスト梁を設計しました。 ②長手方向は羊蹄山を望む開口を目一杯確保しているため、対震要素となる壁のバランスがこのままだと非常に悪く、解決策として木造の壁倍率で14倍相当の高耐力ブレースを用いて、少ない壁枚数でバランスを調整しつつ、その接合部は製作金物で設計を行いました。製作金物を差し込む木柱とブレースは、手加工でこのスリットを加工しています。当然、その精度は機械よりも多少劣りますが、どこまで出来るかを施工者と議論し、設計上許容できる範囲で設計しました。 木造の設計は、木加工がおおらかで、現場で合わなくても手仕事で加工ができるのが非常に面白いです。全てを機械加工でやるのも、工業化という意味では大切ですが、手仕事の味わいのたくましさはいつの時代も変わらないと思います(田邉 俊貴)

data

所在地
北海道倶知安町
用途
ホテル
プロジェクト期間(開始)
2018.04
プロジェクト期間(竣工)
2020.04
規模
地上1階

Credit

クライアント
TAIGA株式会社
建築設計
DAIDA DESIGN STUDIO
立役者(外部)
TAIGA株式会社
立役者(AIG)
田邉 俊貴
写真家
Glen Claydon