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AIG

Projects

HERE WE INTRODUCE THE PROJECTS WE HAVE DONE.
ALL PROJECTS ARE MADE OF IDEAS AND THOUGHTS THAT
EMBODY OUR PHILOSOPHY “IMAGINEERING”.

南本町PJ

小規模建築のような座屈拘束ブレースとラーメンによるモノコック構造
  • STEEL STEEL

over view & Goal

大阪のメインストリートである御堂筋を一本入った通りにあるsteel造の10階建てのオフィスビルです。 この建物の事業企画はLeTechという不動産会社で、大阪本社長の藤原さんと安藤は、プノンペンからの友人で、「いつかおもしろいことをしましょう!」と言っていたものがカタチとなった建物です。元々の設計案では、18F建てのPca+PC+吊免震による超高層を計画しており、大臣認定の性能評価1か月前にこのプロジェクトを支社ビルとして、買いたいとニチアスさんから打診があり、規模は10階建てで十分ということになりました。支社ビルということで、ニチアスさんの得意な耐火製品が使えるsteel造で設計しようという流れとなりました。ニチアスさんの大阪支店長は、とても熱意と興味のある方で、鉄骨の製品検査の時には広島県福山まで設計者と一緒に行き、これから支社ビルの一部となるsteel部材に興味深々だったことがとても印象的でした。 この建物の構造計画/設計のテーマは、①小規模な建築の構造計画を中・大規模で実践すること、②14.1mスパンの無柱執務空間を構築すること、③都市部の高密度エリアの再開発となるため、既存の基礎を残して土工事を行うことへの対処などを意識しながら設計を行いました。

Idea

構造計画/設計のテーマから、AIGの解決策を列挙すると、 ①平面14.1×18.0に対して、外殻のみに鉛直要素を配するモノコック構造として、両サイドは隣接する建物が近いため、アンボンドブレースによるブレース構造とし、直交方向は、隣地側をブレース構造、ファサード側をブレースと剛性バランスが釣り合うように、H鋼による1/2スパンのラーメン構造として、ねじれによるペナルティの最小化を図っています。アンボンドブレースは、圧縮時に座屈拘束することで、高次の座屈モードとなり、引張耐力と同等の圧縮耐力となるため、ルート3の水平保有耐力を検討するうえで、ブレースの部材ランクを最優秀ランクとすることができ、大きなメリットとなり、そのさサッパリ感が構造計画に出ています。 ②14.1mのスパンは、150mmのスラブの合成効果を利用して、約1/28の梁成500mmで実現しています。単純梁とすることで、常に上端圧縮の梁で合成効果により向上した断面性能をフルに活かした設計です。また、地震力の影響を受けないので、この梁は、柱に軸力のみ伝達するため、オフィス空間に突出する柱型を最小限に抑えることを意図しました。オフィス空間ということもあり、2人歩行振動に対して、1/3オクターブバンド分析を行い、V-Ⅱランクを満足出来るクライテリアとしました。 ③既存の基礎を弁当箱型に残して、既存の内側で基礎をやり切れるように基礎を計画しました。超高層で計画していた時に引抜抵抗のための長期荷重をカウンターウエイトとして利用した軸力集約型での4本杭のレイアウトだったので、既存基礎の解体も4本杭箇所のみでした。解体箇所を増やすことはせず、4本杭のまま設計しました。この地域の地盤は、GL-36.0m付近の大阪層(砂礫)まで地盤が悪く、現場造成杭で拡底杭とすることで4本杭として成立させています。 以上のアイデアで設計を行いました。 18階建てPca+Pc造の超高層と10階建てSteel造で2回設計しており、紆余曲折があったので、事業企画者と設計者、施工者、そして、最終利用者とで必然的に信頼関係が構築され、六位一体で竣工まで駆け抜けました。施主竣工検査のときには関係者が皆集まり、達成感に包まれた雰囲気が最高の体験でした(鶴田 直哉)

data

所在地
大阪府大阪市
用途
オフィス
プロジェクト期間(開始)
2020.03
プロジェクト期間(竣工)
2021.11
規模
地上10階

Credit

クライアント
株式会社Le Tech
建築設計
株式会社miCo./株式会社永都設計
立役者(外部)
株式会社LeTech 高井さん(クライアント)
立役者(AIG)
鶴田 直哉
写真家
SS Tokyo by Keishin Horikoshi